対話の道具
モーリス・ドニは「絵画が軍馬や裸婦や何らかの逸話である以前に、本質的にある秩序で集められた、色彩で覆われた平坦な表面であることを思い起こすべきである」と。
僕もある秩序で集められた、色彩で覆われた平坦な表面である、という地点から出発したい。
色と色との配色によって発する印象に神経を使おう。
それは単純なわずかな色数の配色もあれば、何十何百の色数による配色もある。
同じ色数でも量的に変化させると、
そこから感じる印象が変わっていく。
そして、その印象は自分の主観的な表現ではあるけれど、観る人はそれぞれの持つ色に対する感覚と尺度で観る。
ひとつの色の絵を通して互いがどう感じるかを話すことは良いことだ。
相手の感性の差異を知り、自分を知り、お互いの感覚は共有される。より良い人間関係を築く役に立つだろう。
色の絵にはうまい、下手の感想は意味がない。春の雰囲気だとか、爽やかな感じ、とか◯◯のような、といった初めて人に会った時に感じる第一印象を話そう。