ある日の美術

仙台にいて絵を描いたり書をやりながら、もろもろ美的なことを研究してます。

写真を見る困惑

写真を読み解く困難さは絵より多いと思う。
僕が写真を見て困惑することのひとつにピントがある。

写真においてピントが合っている部分が必ずしも撮影した人が見て欲しい部分であるとは限らない。

撮影した時の状況で意図しない所にピントが合うことはよくあることだと思うんだ。
 いつだったかな、知り合いに自宅の庭で撮った写真を見せられたことがある。

そこには真ん中に小さなトカゲが写っていた。

明らかに、

 

主役はトカゲに違いない。

トカゲを撮りたくて撮った写真だ。

しかし、トカゲには全くピントが合っていなくて、それどころかぼやけている。目も体の模様も判別できない。

それでトカゲ以外の植物にはしっかりピントが合っていた。
 絵的には面白いと思う。

絵を描く感覚では、こういう場合、トカゲは脇役として表現したことになり、主役は間違いなく植物である。

植物に注意が向くよう、わざとそのように表現したことになる。それで僕は困惑してしまうのだ。写真と絵は違うのだな、と思う。

絵描きの感覚では写真は見れないな、と感じたのでした。