ある日の美術

仙台にいて絵を描いたり書をやりながら、もろもろ美的なことを研究してます。

紅蓮の氷

紅蓮とか、大紅蓮とか言われる世界があります。

仏教によく出てきますよね。

地獄を表現する時に使われる言葉です。

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知らない人は、紅蓮の炎なんて言ってたりします。

火にあぶられるような地獄、ってことでしょうか。

僕も、ずっとそう思っていたものです。しかし、どうも違うようなのです。

紅蓮という言葉は本来、

 

紅蓮の氷にとぢられて、と使われることが多いみたいなのです。

紅蓮の氷、って。なんでしょうね。

仏教で説かれる地獄っていうのは、どこそこに地獄っていう場所がある、とあってもそういうことではなくて、自分の苦しい時の精神状態を指して地獄なんだという。

 

紅蓮の氷も、自分の精神世界を表現したもののようです。人を踏みつけて、虐げて悪いことばかりしてると、心はやがて、そんな地獄を感じるようになっていくのだそうです。因果応報です。

 

一般的に寒さが厳しくなってきますと、ほっとくと手が赤ぎれたりするものです。

それが、さらに厳しくなっていくと、そのうちに背中も赤ぎれて血だらけになるらしいんですね。

ということは、寒いのに裸なんだろうと思います。

そして血が吹いた様子が蓮の花のように見えることから紅蓮と言うようになりました。あるいは大紅蓮などと呼ばれるようになったそうです。

 

つまり寒くて寒くて、体中が赤切れて血だらけになっていく様を紅蓮というらしいんですね。

紅蓮っていう文字から考えると赤いです。赤いから熱いってわけじゃないんですね。

寒すぎて体から噴き出す血の赤なんでした。