ある日の美術

仙台にいて絵を描いたり書をやりながら、もろもろ美的なことを研究してます。

比率

比率絵を描くうえで大切なことのひとつに比率がある。

十三世紀ころのイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチは、木の枝に葉が生えていく過程や、カタツムリの殻の渦の広がり方など、多くの生物の生長パターンが1.618の比率で成長することを発見したという。

人が子供から大人になっていく次第に骨が伸び、髪の毛が伸び、爪が伸び、

 

それらがみな1.618の比で成長するのだ、という。

これって見ていれば気づけることなのか?

凄いな、びっくりだ。 

 

フィボナッチは考えた。 一つがいの兎は、産まれて二ヶ月後から毎月一つがいずつの兎を産む。 一つがいの兎は一年間に何つがいの兎になるか?どの月のつがいの合計も、その前の二つの月での合計の和となり、フィボナッチ数が現れていることがわかる、らしい。

フィボナッチ数列では、三項目以降のそれぞれの数は手前の二つの項の数の和になっている。

二つの連続する項の比を取ると、次第に黄金比に近づいてくる。

 

私はあまり頭の回転が良くないから、数字は荷が重い。

けれど絵をもっと良くしたい、良い仕事をしたいと思うと、奮闘するしかない。

フィボナッチという人はすごいな、と思う。

私なんか、こんなこと誰かに教えてもらわない限り永遠に気づきもしないことだ。

 

比率なんて、とはじめは思っていた。

そんなこと気にして絵を描いてらんないや、って。

けれど全てを貫く法則は必ず美に関係することだ。

数学は一つの美である、と思う。

無視するわけにはいかないな。黄金比は美しいといわれる。

本当か?鈍感なのか感じない。

 

人を描くときに黄金比から外れると不細工に感じる。

誰かを見て「不細工だ」と思うとき、それは黄金比から少しずれている。

人間には直感的にそれを感じ取ることができるようだ。

何せ自身が黄金比で成長してきたのだから。

そう考えると人間も黄金比から逃れられない。

だから感度の良い人は自然と黄金比から成るものを見ると美しいと感じる、らしい。

 

私の感度は話にならない。

かなり鈍感で黄金比からなる四角形とか見てもなんとも感じない。美しいのかどうかわからない。

おそらく馴染みが少ないからだと思われる。

だから意識して黄金比を使っていくしかないのかな、と思う。

絵描きなのに困ったものだな。

時間はかかるけれどすべてを貫く「美しさ」っていうのを感覚的にわかるまで体に染みこませていこう、少しずつ、少しずつ。