3つの色で
二十代の頃、僕は色の感覚がすこぶる悪かったっけ。
それどころか、つい最近までひどかったと思うんです。
もっと前、小学生の頃、初めて意識して色を塗った時の記憶が今でも鮮烈にあります。
それは校舎の外で風景を描く授業がありまして。
僕は木を描いた。
色の三原色というのがあって、それを使うとほとんどの色が出せるらしい、ということをどこからか聞いて覚えていました。
そのやり方で木を描くことにしました。しかも点描という、点ばかりで絵を描こうと考えたのでした。
色の三原色はマゼンタ赤、シアン青、レモンイエローの三色です。
今は正確に三原色を区別できるけど、当時は単に赤も青も黄色もいい加減にしか判別できませんでした。赤ならどんな赤でも原色だろうみたいな感じです。
点描は有名な画家ではスーラがいますよね。そう、そうこんな絵です。
点描で絵を描くなんて、気が遠くなるくらいの時間と体力と忍耐が必要です。無謀にも小学生の僕は、それをやろうとしました。アホですね。当然ダメダメ、成功しませんでした。
描いた絵が木かどうかさえわからない絵になってしまったなぁ。
小学生の僕にはその事があまりにショックで今でも忘れられない。
それ以降、失意のために30になるまで、ずっと喪に服してきました。
いよいよ絵かきになりたい気持ちが大きくなって、このまま色を避けているわけにいかないな、と思うようになりましてね。それで勉強することにしました、30では遅すぎますけどね。
こんなことは小学生のうちからやっといたら良かったなぁ。
今はまだまだ、との感じは拭えませんが勉強したこともあって、色の感覚は幾分マシになったんじゃないかと思います。
三原色には二種類ありますよね。
ひとつは色の三原色、ひとつは光の三原色です。
色の三原色はマゼンタ赤、シアン青、レモンイエローの三色です。
光の三原色はRED、GREEN、BLUE(赤、緑、青)の三色です。
そもそもプラットフォームがどちらも違うというか、見るときの環境が違うものです。
色の三原色は、絵の具でまぜまぜする時のような光の反射で色を判断する環境です。一方、光の三原色はテレビとかスマホのように光の色で見える環境を使います。
ちなみに、一番はじめの点描のぬり絵は僕が描いた絵です。水彩です。