ある日の美術

仙台にいて絵を描いたり書をやりながら、もろもろ美的なことを研究してます。

お米をどうにかしてやるぜ

絵も書もやらないよ、というあなたが身近に美を感じたい、ということですけども。

身近な美を含む行為というのはもう沢山です、いや沢山あるものです。

中でも、すぐやろうとすれば出来ることに料理がありますね。

 ご飯の写真
というわけで、ごはんを炊こうと思う。

多くの方が、私も私もと言いますけれど、我が家も同じように昭和初期をテーマとしております。ですから、もちろん炊飯器なんかありません。

鍋しか無いんです。とはいえ、時代の要請でしょうか、ガスは使っておりまして、2つのコンロと水を入れるタイプの魚焼きが付いたガス台を使っております。

 

お恥ずかしい話ですが、こんなんじゃ昭和初期をテーマにしてるなんてよく言えるもんだ。と噂されるのが怖いので、まだ誰にも言ってなんです。

 

それはさておき、さっそくやってきましょう。

使う道具と材料は以下のものです。

  • 鍋ひとふり
  • ザル
  • ボール
  • 米5合(180ccのカップすりきり5杯)
  • 水5合(180ccのカップすりきり5杯)
  • 蒸発分の水30cc×5(1合につき30ccになります)

まず工程をお話しようと思います。お米を炊くのは次の5工程からなります。

  1. お米を研ぐ。
  2. お米を水にひたす
  3. お米の水を切る
  4. お米を炊く
  5. お米をむらす

 

ご飯というものは、五感をフルに使って作ってこそ、おいしく仕上がる食べ物です。

だから、音楽聞きながらとか、誰かと世間話しながら、なんてやってたら、もう、お話になりませんよね。

そういう子は腐ったリンゴでも食べてりゃいいんです。

 

お鍋は何でもかまいません。

ちなみに、お鍋は内側で直径19センチ、深さ8.5センチのものが、我が家の家宝となっております。お米の量は、この大きさの鍋で5合炊けます。

 

お米はね、地元宮城のササニシキを用意しました。ササニシキは宮城が産んだ幻のお米です。最近では新たに生息していることが分ったようです。

 

それでは、工程に沿って作業してまいります。

 

1.

お米を5合計ってみましょう。1合は180ccのカップすりきり一杯です。

計ったお米はボールと同じ大きさのザルに入れます。

次にお米を研ぎます。

お米は生きものですから、手荒に扱ってはなりません。

ボールに水をいっぱいいっぱいにします。そこに米の入ったザルを静かに沈めていきます。

両手をつかって、米同士を擦りあわせて磨くかのように洗います。

お米が水をたくさん吸う最初の一回目が勝負です。

できるだけ手早く研いでいきます。おおむね水が白くなりましたら、ボールからザルごと引き上げます。そのあと水を捨てます。

このとき中断したりして水にお米が浸かったまま放置しますと、ごはんを炊いたときにぬか臭くなりますから注意です。そのため手早く、ということになります。

同じことを、水が透明になるまで繰り返します。本当に透明になるまでやると、けっこうな時間がかかりますが、やっただけの美味しさにちゃんと反映します。

 

2.

良いくらい研ぎましたら、ボールにまた水をいっぱいいっぱいにして、その水に5分から10分ざるごと浸します。

お米はたくさん水を吸って、これ以上ムリってくらいになりますと吸わなります。あらかたはお米を研いでる時に吸いますので、この程度の時間で十分です。

 

3.

次に水からお米を引き上げて、水を捨ててください。それでザルを15分放置してにして水を切ります。この工程はとても重要で、お米のふっくら加減に影響します。

さぁ、いよいよご飯を炊くところまでやってきました。

次に、水気を切ったお米を鍋にあけます。

そしてその鍋に、5合の水を投入します。それから+(30cc✕5=150cc)の水を投入。

このプラス分は蒸発してなくなっちゃう分です。鍋でご飯を炊くときには何故だか水を多く必要とします。炊飯器の場合はプラス分は必要ありません。

(お米を炊くときの米と水は、カップで計ったときに同量というのが基本ですからね。)

 

4.

水を必要量投入しましたら、火をつけます。

あ、げんこつくらいの石を拾ってきて蓋に重しをしてください。

ところでみなさん、お米の歌をご存知でしょうか? 知らない方は覚えて帰ってちょうだいね。

 

はじめチョロチョロなかパッパ、騒ぎ出したら火を引いて、赤子泣くとも蓋取るな!

 

この歌の要領で火をみます。

 

はじめチョロチョロ(弱火)に5分。

なかパッパ(中火)に5分。

騒ぎ出したら火を引いて(弱火にして)5分。

この時点までで15分です。

このくらいまで来たら耳を澄まして、しばし待ちます。するとミリ、ミリって感じの乾いた音が聞こえてくるはずです。いや、パキン、パキン、だったかな? パツン、パツンって風だったかな?とにかく音がします。

それが聞こえたら、火はもうたくさんですよ、って合図です。火を止めてください。

 

5.

次にそのままほっといて蒸らします。15分したら完成です。

 

そうか、美しいってのはこういうことか!って分っていただけたと思います。

お疲れ様でした〜、ようくご飯をほぐしていただきましょう。