ある日の美術

仙台にいて絵を描いたり書をやりながら、もろもろ美的なことを研究してます。

パウラ・モーダーゾーン・ベッカーの絵

 独自に単純化された絵を描く画家、パウラ・モーダーゾーン・ベッカー。

彼女の絵は漫画のようだ。

オリジナルは油絵なのだけれど、鉛筆で模写してみた。

パウラ・モーダーゾーン・ベッカーの絵の模写

素朴で素晴らしいな、と思う。

彼女自身に内在する思想をきっちりと自覚しているかのような表現。
 西洋の多くの画家の図版を見て思うに、

 

私の絵の好みは百年から百五十年前に多くあって、そこから現代にまだたどり着かない。頭が時代遅れなのかもしれん。

時代に追いつけない。それでも、僕は現代に生きる時代の子。はやく現代に戻って来たい。

 百年前の表現には馴染めるのに、現代の表現にはどうも馴染めない。どうしてだろう?それが、さらに五〇年さかのぼるだけで、その時代の表現にこれまた馴染めなくなる。
その頃というと日本では江戸時代の後期及び末期。

一八五三年、 アメリカのペリーが浦賀に来航、江戸幕府に開国を認めさせ、日本も欧米を中心とした世界経済に組み込まれた頃だ。

日本の主流は浮世絵かな。そうか浮世絵だ。

この頃以前の西洋画には馴染めなくとも浮世絵なら馴染める。筆は得意とするところだし、版画も好きだ。子供の頃から漫画大好きなわけで、その表現はたどってゆけば浮世絵に端を発するのだから。