ある日の美術

仙台にいて絵を描いたり書をやりながら、もろもろ美的なことを研究してます。

絵描きは見るために準備する

見ることからはじめよう。

 

人には目が横に二つ並んでます。大抵の人はね。

目の使い方を知っていますでしょうか?

あなたがそれを知っているなら話は早い、それだけで美の窓が開かれるのはご存知のことでしょう。

 

絵描きにとって、目の使い方は重要なことです。

絵を描いていて問題となることのほとんどの原因は、もしかしたら、目が二つあるってことなのかもね。

目が二つあるために、物は立体的に見えるんです。

立体的に見えるから、物に当たることなく歩いて行ける。

でも絵を描こうかな、というとき立体的に見えるるから、どうして良いかわからなくなる。

だから、画家は片目を多く使うことになっちゃいます。

 

片目だけだと、見える風景は両目で見ると同じように見えて、平面的にしか見えなくるものです。

そのまま歩き回ると危険です、でも歩き回らなければ安心、大丈夫。

ものが平面的に見えてるなら、それを紙に描き移すのはそれほど難しいことじゃないでしょう。

片目だけで物を見た経験があまりない、という人はこれをすると、かなりイライラするかと思います。

このイライラには、脳が関係してきます。

お目目と脳は直結していますからね。

 

ここで、少し脳について触れたいと思います。

脳はざっくりと右脳と左脳に分かれています。

まぁ、それぞれ役目が違っておりまして。

左脳は論理的に働くのが得意です。

右脳は直感的に働くことを信条としています。

 

普通、絵描きは右脳と左脳を必要に応じて切り替えて使う生き物です。

ここは、直感が必要だから右脳に頑張ってもらおうかな?というときは右脳に出張っていただきます。

絵描きじゃないかぎりは、おそらく大抵の方は通常、左脳主導で頭が働いています。

もちろん、僕も通常は左脳主導のようです。

 

片目をつぶるというのは、左脳的には我慢がならない行為です。それが一瞬なら問題ありません。ウィンク程度なら想定内です。しかし、それ以上、無意味に片目をつぶっていたりすると左脳は許せないらしく、イライラ電波を発してやめさせようとしますね。

無意味かどうかは左脳判断ですから、自分の意思とは関係ありません。

 

ですから両目で見るってこと自体が、左脳主導の証拠といっても良いのかもしれません。

それが、片目になって、そうですね、5分もすると自動的に右脳に切り替わります。おそらくは人間は誰でもそういう構造になっているようです。

その5分間は、慣れるまで、これが日常なんだよ、と左脳に分からせるまでは相当イライラさせられます。

日常的に片目で見ることが普通になりますと、何もカニも幾何学的な側面をもって見えるし感じるようになってまいります。

こうなって、ようやく絵を描く準備が整います。

準備オッケー🙆

僕は慣れてますから必要な時に何時でも何処でも右脳に切り替えることができますが、はじめは、なかなか難しいかもしれないなぁ。

絵描きでこれが出来ないと、どうにもなりません、と僕は思う。

これが出来ない、知らないという絵描きは沢山いるかもしれませんが、どうにもなりません。

スタート以前の話で、スタートする準備が出来ていないわけですからね。いくら頑張ったところで、たいした絵が出来るとは思えません。

会社に行く準備も出来ていないのに、寝巻姿に革靴だけ履いて出社しても、帰ってちょうだい、と言われちゃいますよ。