ある日の美術

仙台にいて絵を描いたり書をやりながら、もろもろ美的なことを研究してます。

ウィンザー&ニュートンの水彩絵の具

僕が愛用しているウィンザーニュートンの固形透明水彩エノグセット! 12色です。

ウィンザー&ニュートン・コットマンハーフパン固形水彩12色の写真
とても小さくて手の平サイズです。その中でも安価なコットマンシリーズです。ちいさなリセーブル筆もついています。
使ってみて、とても発色がよく素晴らしいと思いました。オススメですよ。
水彩の話になったので、絵の具セットと違う話になりますが、水彩についてもうすこし詳しく説明したいと思います、ま、一般的なことですけれど。

 

ウィンザー&ニュートン・コットマンハーフパン固形水彩12色の写真

水彩には、透明水彩不透明水彩と二種類あります。私は、目的に応じて使い分けています。
このセットのような水彩はたいてい透明水彩です。
透明水彩は描いても描いても、下の絵が透けて見えます。絵の具が透明だからです。透明な絵の具で厚く塗る、あるいは何度も塗り重ねると、だいたいの色は黒に近づいていきます。たとえばそれは、透明度の高くて深い湖を水面から見るような。
だから、厚く塗るには透明水彩は向いていないと思います。また広い面積を塗るにも向いていないようです。往々にして表現が弱々しく見えます。

不透明水彩は薄く淡く塗ると濁ったような色になります。それは透明水彩で塗ったものと比べると一目瞭然です。不透明水彩で普通に塗るとマットで色彩が鮮やかになります。これは透明水彩ではマネできないものです。
私は色彩鮮やかにしたり、マットな感じにしたいところ、広い面積を塗る時は不透明を、白く輝くようにしたいところには透明水彩を使っています。
絵の全体的なイメージでは、たとえば世界中の絵という絵を集めて白黒コピーして、一つの基準として白から黒にいたる5つの箱を設けて、ちょっと見た印象で絵を振り分けていったとします。
1つめは白の箱。3つめの箱は中間のグレーです。5つめは黒です。
自分の描く絵はどの箱に入るだろう?
私の場合、この5つの箱の1、2の箱までの明るさの絵を描こうとする時には透明水彩で描けると判断します。それ以上は、不透明水彩を適宜に使わないといけないな、と思います。

透明水彩にしろ不透明水彩にしろ、チューブの絵の具を溶くには水を必要とします。
絵の具には、必要とする水の量に分水嶺があります。
僕はできるだけ、その分水嶺の付近で絵の具をとくようにしています。
それは、果物の一番おいしい時に食べるのに似ています。
水の量が少なすぎると透明水彩なら濃く暗くなります。多すぎると10年使い込んだカーテンのように色が褪せて発色が悪くなる。

不透明水彩も水の量によって似たような風になります。