坂の上の赤い樹
僕は昔、近所を散歩していました。
今でも散歩はするんですが、その頃は定期的にね、歩いてたもんです。
いつも絵とか文字とかやっていますと、そのうち肩に重しをのせたような感覚になってまいります。
それで、そうなってきますと体がドンドン重たくなってきまして、
誰かにとり憑かれてるみたい。
夜もおちおち寝ていられなくなってきます。
寝ていても金縛りになったようになってね、それにリンクして悪い夢見てうなされちゃいます。
それで、あぁ、少し走らなきゃ、ってなるんです。走るっていっても歩くより1.2倍速いだけって程度のスピードですがね。
2時間もやると、だいぶ体も軽くなってきまして。
季節は真冬の今頃でしょうかね。
その道すがら赤くなる樹がありまして、真っ赤になる、ね。
ここへの道が坂道で。
下から登ってくるんですが、坂ですから、良いくらいまで登っていかないと樹が目に入ってこないんですよね。
だから、下から登ってきて、登り切りそうだなぁ、ってときに、ふと見上げると赤い樹がドーンと目の前来る。
なんだか、ここまで走ってきて良かったワー、と思ったりして。
でもね、一週間に一度くらいは走らないとならなくてね、嫌になってくる。出来ることなら走りたくないなぁ、と思うようになってまいります。
でも、走らないと体中が苦しくなってくるし、何とかならないかなぁ、と思ったものでした。
2時間走らないで、それに相当する運動を自宅でやれないものかなぁ、といろいろ考えているうちに、思いつきました、ストレッチ!
そうだ、ストレッチなら良いかもね。
ストレッチで2時間走る代わりになるかな、とやってみたら日に10分くらいやるだけで十分間に合うことが分かりました。
ストレッチってスゲー!!・・・ということで、それ以来、走るのは半年に一度くらいで良くなって。
そうそう、赤い樹ですが、夜が明けて朝日が当たってる、ってだけなんですが、この樹だけ山から突き出ているから、これだけが赤くなるんでした。