ある日の美術

仙台にいて絵を描いたり書をやりながら、もろもろ美的なことを研究してます。

不思議だなぁ

色彩は瞬間瞬間に湧き上がる気分というものを具現します。描く色彩に、その時その時の感情がちゃんと表現される。そうしたものを記録しておきたいと思いました。
仏教では瞬間瞬間に湧き上がる思いを一念、と言います。

人の一日の一念は八億四千あると説かれる。それが本当なら、一念の感情を瞬間的に絵にできたら少なくとも八億四千万枚の絵を描けるのかな?
 色彩は無限だな、とよく思う。瞬間的に感じる色を具現化してみる。

いつも同じ絵の具で同じように描いているけれど同じようになることがないものです。
 光で作られる色彩と絵の具でつくられる色彩は違うものだけど、俺はどちらかというと絵の具で作られる色彩を愛する派です。

 

付合いが長いからかな。光に照らされて見る色彩は魅力的で、そこには影の世界があって現実的。

何より手触り感があります。
色彩の世界は自分を飾り立てることも出来ず、ただ、ただ、ありのままをさらけだすしか無い世界。ごまかすことが出来ないし、ごまかしようが無いみたい。
描いた色の絵には、今、この瞬間の気分と色彩の感覚がちゃんと絵に表現されます。不思議だなぁ。
 色彩世界は広すぎです。遠くを見ると、いつも地平線しか見えません。色は数えてみれば有限だけど、人間の精神と結びつくことで無限になってゆく。
あんまり楽しくて、その広いお庭をスキップして遊ばしてもらってます。