ある日の美術

仙台にいて絵を描いたり書をやりながら、もろもろ美的なことを研究してます。

77回行動展に向けて04

 なんだか休みなのに雨降りで晴れてほしいシュンです。夏ってより梅雨って雰囲気。

 前回の状態から、一見して絵が小さく感じるので大きならせんを追加しました。

f:id:shunarts:20220804123340j:image

こうすると何故だかな、絵がひと回り大きく感じます。錯覚ですけどね。

黒が入ると絵に緊張感が出ますね、キリッとして。

さらに点描を気合をいれて描き込みました。以前にくらべて全体的に少し明るい黄色にしました。もう少し白に近づけようか思い悩みましたが、このくらいにしておこうかな。

はじめに描いたものが少し遠のきました。そのように見えます。

でもまだ少し何かもの足りないかな?

 

 月末には運送屋さんに搬送手続きをお願いするので8月半ばくらいまでには仕上げるつもりです。急がなきゃ、でも気力体力との相談もあるからね。とはいえ、8割くらいは完成に近づいた感があります。

 

 ところで皆さんはフラクタルというのをご存知でしょうか?

フラクタルというのは「図形の全体をいくつかの部分に分解していった時に全体と同じ形が再現されていく構造」のことです。

自分が作品をつくるときには、できるだけそのようなフラクタルになるように心がけています。それが自然の摂理であるように思うから。

自然の摂理に則って構築されたものには美しさが内在すると思うのです。

道端に咲く小さな花を見ていると、そう思う。

とても難しいことではあるけれど、たとえ何も知らなくても美しいと感じてもらえる、そんなのを一生に一つくらいは描けるようになりたいなぁ。

77回行動展に向けて03

前回からの続きです。

あれから油絵の具と6号豚毛筆でさらにクルクル描いていきました。

豚毛の筆は弾力があって、他のどんな筆を使うより油絵描いてるって気分になります。

 

クルクルの塊二つは、黒に近い?近くないなぁ緑のやつと茶のようなくすんだ青のような、そんな感じで展開してみました。

f:id:shunarts:20220720170349j:image

ところで色というのは情緒を表現するに向いていると思うんです。

だから日々自分の中で、瞬間瞬間、その時々で無限に移り変わっていく情緒を記録するように絵を描いていきたい、これもそうした作品にしていこう。


前作から2枚目のこれを描くまでの間に印象派的なバイクの絵を一枚描いたのでした。その感覚でもう少し描きたいというのもありまして背景を点描にしました。

点描という技術は専門用語で言うところの同時対比の表現です。

同時対比で描かれた絵っていうのは、それを観る人のその時の気分で色彩が変わって見えるんですよね。それに、それの大家であるスーラに思いを馳せていると色だけに色々と思うところがあって感慨深いものがあったりします。

 はじめは背景は全体的に白くて淡いピンクのようにするつもりでいたのです。けれど、黄色のアクリル絵の具がたくさんあったものだから黄色で下地を塗ることにしたんですよね。それで時間をかけて最終的に淡いピンクにしていけばいいさ、ぐらいに考えていたのですが、描いているうちに黄色のままで良いような気持ちになってきました。

黄色も良いな、うん。ということで黄色で続行しよう。

行動展まであと2ヶ月くらいですから、なんとか頑張って近いうちに完成まで持っていきたい。

ちょっと絵が小さい感じがしますね。1枚めと比べると小さく感じます。これから、そこをなんとか工夫したいと思います。

77回行動展に向けて02

前回の下地はアクリルで色塗りしました。1週間くらいしたろうか?

それで、これからは油絵の具で描いていきます。

f:id:shunarts:20220703095834j:image

クルクル クルクル。描きながら先月観たシン・ウルトラマンの天体制圧用最終兵器ゼットンを思い出した。

F100号というと長手が161センチで、なかなかの大きさがあります。

単にクルクル描いていくだけなのに結構な時間がかかる。

行動展には2枚出す予定なんですが、もう一枚はほぼ出来てます。それが黒をベースにした、というか主人公というか、そんな絵で、下の絵がそれです。

f:id:shunarts:20220705154237j:image

同じ感じの違う絵にしようと考えています。

これより良い作品にしたいものだなぁ。

らせん、て不思議。

平面のようにも見えるし、立体的にも見えてくる。

日常のたいていのことは同じことの繰り返し。

クルクル描いていると、そういうことをふと思う。

でもやってることは同じでも出来たもの、結果がその都度違ってくる。

なぜだろう?

 

 

77回行動展に向けて描き始め

こんにちは。
春ももう終わりか、夏近い感じの仙台に居るシュンです。

昨年は新制作展に150号の絵を描いたっけ、下の記事がそれです。

今年は、新制作展はやめて、行動美術協会の行動展に出すつもりです。
それで、今日(令和4年6月5日(2022)から頑張ろう。

今回は初出品です。

F100号を2枚出す予定なんですが、そのうちの1枚は9割がた出来ていまして、もう一枚を描き始めたというところです。F100号は自分の身長と一緒。長手で161センチ。幅は132センチ。

150号は、もう部屋がいっぱいいっぱいで、部屋から出すもの一苦労。しかし100号はとっても手頃なサイズで、東京の国立新美術館に展示するには小さいけれど、まぁいいや。

とりあえず下地としてアクリルで黄色を塗りました。後々、油彩で仕上げよう。

f:id:shunarts:20220605102706j:image

なんか良い感じ。光り輝くような黄色って、気持ちもパッと明るくなるね。
レモンに近い黄色であればより輝くように見えますけど、すこし赤みな黄色にしました。

これだけで、もう完成にしまおうか?

いやいや、これだけなら何時でも描けるのだから、もう少しがんばろうよ。

 

印象派でバイク

最近ようやく春めいてきた仙台で開いた口が塞がらないシュンです。ZRX1200
 2月ごろにキツくてヒーヒー言いながら働いている会社の方に「バイクを描いてちょうだいよー」と依頼を受けました。ひと月くらい頑張りましてね、完成です。

季節柄色彩も春めいていますね。

30号(91×72.7cm)のキャンバスに油彩で描きました。
中々の大きさですが、愛車のバイクということでしたので、このくらいの大きさが見応えも十分で良いだろうと思います。
カワサキのZRX1200という大型のバイクでとても格好良い。

一見すると何だか印象派っぽいです。
 印象派っていうのは、もうずっと古くて19世紀後半にフランスから始まったムーブメントなんですが、印象派を企画されたときの美術館の入りの多さでもわかるように日本人は印象派が好きなようです。みなさん名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。

かく言う自分も印象派が大好きだもんですから、描く絵も自然そうなっちゃいます。

印象派の中でもスーラっぽい絵に近い雰囲気かな。

スーラっていう方はジョルジュ・スーラというお名前で、点描画で有名な画家。

スーラ

上の画像のようなこんな作品を描く人です。これは代表作ではございませんが、このバイクの作品に近いでしょう?そういうわけでこれをチョイスしました。

スーラの絵を見ていると、あぁ絵を描くってこういうことなんだなぁ、と教えられます。

点描というのはTVのように光を使って表現されるものを絵で実現させるための技術と言えるかと思います。

TVと違って実際は自ら光ることが無い絵ではありますが、見る人の頭の中で色が混ざりあって光り輝くように見えます。電気も必要ないですし。
スーラの絵(本物じゃなくて画像だけど)を見る度に、なんて天才なんだ!とため息が出る。

 

らせんとラーメン

今週のお題「あったか~い」

 

だんだん寒くなってきました。

人肌に飢えている今日この頃、人肌に温(ぬく)めた日本酒でそこをしのぐシュンです。

 

最近「らせん」に興味がありまして。

これは下の図のAのように円を描く過程で方向性が加わるとらせんを形づくってまいります。

 らせんは平面的感覚で描かれながらも、できた「らせん」を眺めると立体的に見えなくもないですよね。らせんで身近にあるものだと何かしらのバネでしょうか。それをぐっと引き伸ばすとBのようになったりね、いろいろ変化します。

f:id:shunarts:20211126234945j:image

それで適当にC〜Fのように描いてみました。

らせんはDNAを想起させるかもしれないな。あるいは、それに限らずらせんの形は色々思い起こさせます。ショックアブソーバーのバネや時間の経過、水や衝撃の波動とか。

f:id:shunarts:20211126234940j:image

すこし、色の付いたボールペンで描いてみようか。

f:id:shunarts:20211126234932p:image

それで、ちょっと大きな100号(161✕130cm)のキャンバスに油彩で「らせん」の色塗りをしてみました。

f:id:shunarts:20211126234943j:image

どうでしょうか?良いかもしれないなぁ。

 それじゃこんどは小さいの、ってことでS4号(33.3✕33.3cm)で描いてみましょう。描いていると光の加減でなんだか目がチカチカしてきますな。

f:id:shunarts:20211126234927j:image

なかなか「らせん」も楽しいなぁ。これからの時代は「らせん」だな、うん。

 これを描いて、しばらくしてからラーメンを食べに行きましょう、と知人に誘われて仙台から3時間、山形の海っぷちにあるラーメン屋さんへ。その名も琴平荘。

この日は塩ラーメンをいただきました。とても美味しかったです。

琴平荘外観 琴平荘塩ラーメン

 それでお誘い頂いた方から「せっかく行くのだから君の絵を持っていって飾らせてもらおう」という話になりました。

琴平荘のご主人にダメ元でお願いしてみたところ、快くOKを頂きまして玄関入り口付近に飾らせていただきました。ありがとうございます!

f:id:shunarts:20211126234930j:image

お近くにお越しの際は是非おいしいラーメンを頂いて絵を見てやってくださいね。

槙楓図(伝俵屋宗達)

今週のお題「眠れないときにすること」なんだそうですが、数時間お昼寝して今起きました。

意味なく、なんだかね、と思うシュンです。こんばんは。

寝起きで、すぐには眠れませんから、少し絵の勉強でもしたいと思います。

 

さて、17世紀のころの画家に俵屋争奪というひとがおりまして。争奪じゃなくてムネ立つ。

なんでこう変換がすぐ出来ないのかね、自分のPCは。宗達です。

そういう人が居ます。

風神雷神と言ったらこの人。と言われる画家です。

f:id:shunarts:20210926205235j:image

そのお方の絵で槙楓(まきかえで)図というのがあります。

遠目には上のスケッチのような絵です。同業者研究ということで勉強のために描いてみました。

すっかり抽象画といっても良い作品で、ザ・日本画って絵ですよね。

こういう作品を見させていただくと、あぁ、こういうのが日本画なんだよなぁ、って感慨深いものがあります。

自分が素晴らしいと思う日本画っていうのは、こういう作品です。

シンプルで繊細でいて力強い。非常に美しいと思う。

偶然に描かれたようなところも無いのに、わざとらしさも見当たらなくて。

照明も無いところで見ても美しい絵、それがこういう作品。

あぁ、

数百年経っても良いと思われる、そんな作品を自分もつくれるように成りたい。

f:id:shunarts:20210926212253j:image

ところで先日、東京へ行った時に銀座をぶらぶらしてましたら小さな画材屋さんを見つけまして。

その名も「月光荘」。

絵の具も手作り、何から何まで手作りな画材屋さん。

そこで鉛筆を買ってまいりました。

それで今回、宗達の絵をスケッチしたのですが、とっても良い感触。

まぁ、8Bだから芯も柔らかいから描いていてなめらかなのは当たり前なんでしょうが。

予備にもう一本買ってくれば良かったなぁと思いました。