ある日の美術

仙台にいて絵を描いたり書をやりながら、もろもろ美的なことを研究してます。

波に揉まれて

これまで版画は好きだけど、創作の2次的な仕事だからやってきませんでした。

僕は職人気質です。

2次的な仕事というのはお金をかければ誰かにお願いできるもので、そういうのは職人気質だけにやりたくないんだな。

多少は遊び半分でやったりしてたのですが絵を描くのとは違う感じです。

絵を描くのは創作ですが、版画は創作の次の工程の作業です。

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もともと版画の技術というのは複製を目的に生まれたものでした。そして、その目的のもとに発展してきた歴史があります。

だから、版画は職人気質の血が騒ぐ。

 

版画はどんな絵を描こうかな?というより、どんな技術でやろうか?となります。

つまり絵を描くことより版を摺ることが目的になってしまいがちなんです。

摺るのが目的になると、頭の中はそのことだけでいっぱいになります。

そうなると、絵描きになりたいのに印刷屋になってしまう。それで避けてきた。

避けてきたんですが、創作から直結する範囲で版画にできないのかな?と考えて昨日ふと思いついた。というより誰かがやってるのを見て、それが頭に残っていて思い出したのかもしれない。

 

絵を描いたものに紙を貼って転写するだけで良い感じになるかもしれないな、と。

それで、やってみたのがこの作品です。

 

平版の版画になります。平版というとリトグラフ(石版画)がありまが、僕がやっているのは単純に絵を描いた上から紙を当てて転写しただけの簡単なものです。そのために一度こっきりの版画です。

やってみたら、創作から離れないやり方だし、簡単だし、これなら自分の感覚にピッタリだ。気に入りました。

これからは、この方式でドンドンやっていこう!