ある日の美術

仙台にいて絵を描いたり書をやりながら、もろもろ美的なことを研究してます。

力いっぱいの笹

僕は溶接工の仕事をしてるんですが、仕事に行く途中に、笹が密生している場所がいっぱいあります。
朝の早い頃で、雨上がりの日は、笹の色もぐっと冴えます。
そんな日はあまりの美しさに見とれて、茫然と立ち尽くしてしまいます。
こういうのは密集の美とでも言うのでしょうか?

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笹は一本だけあっても迫力もないし、目にも留まりませんよね。

けれど、それが密集しただけで印象が全く変わってしまいます。これは、いったいどういうわけでしょうか?なんて素晴らしいんだろう!

 


密集した迫力や美しさは、巨木のようなそれではありません。もっと繊細に感じます。
笹に限って言えば、黄色とグリーンが織り成す色彩は華やかです。密集していることの迫力と、繊細さもあります。そこによく見れば笹独特の力強さもあるように感じます。
落ちた葉もまた枯れた色をしていて、いい感じです。緑濃い笹と落ちた葉、生と死が同時にあるようです。その対比があるために、より感動したのかもしれません。

ササ(笹)はタケに似た小型の植物です。実際にはその大きさは様々なので、両者の区別がつきにくい場合もあり、日常用語としては明確な区別をせず用いる場合もあるらしい。
地下に匍匐茎を伸ばし、密集した群落を作る。一面に生えた場合、これを笹原という。

笹のよく生える条件として、日本ではいくつかのパターンがあるといいます。

一つはパイオニア植物として振る舞う場合です。よく河川周辺や道ばたなどにネザサ類が出現する。これは、草刈りや川の氾濫などによる不定期な攪乱に強いためである。

僕の絵の場所はまさにそんなところでした。

また、寒冷地では森林の伐採あとが笹原になる例がよくあるようです。

もう一つはブナ林の下生えで、日本のブナ林では林床でササ類が優占する例が多いです。その種は地域によって異なってまして、太平洋側ではスズタケ、日本海側ではチシマザサの場合が多いらしいんですが、自身で確認したわけじゃありませんのでわかりません。

笹は非常に多くの種があるようです。

日本のタケ類のほとんどが中国渡来であるのに比べ、ササ類は土着の種が多く、しかも地方変異が多い。つまり日本特有のものだということでしょうかね。